日常の生活で保険の契約であったり携帯の機種変更であったり「契約書」を交わすことって意外とあると思います。
その中で「こちらの書類に署名捺印をお願いします。」や「こちらに署名又は記名ください。」など促され、サインとハンコを押したことがあるかと思います。
さて、「署名」と「記名」・「捺印」と「押印」はなにが違うのでしょうか？
こんにちは！ビジベース管理人の『キク』（@busi_base）です。
その大きな違いはずばり「証拠能力の差」です。
それでは詳しく違いを見ていきましょう！
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署名と記名の違いとは？
署名
署名とは本人が直筆で氏名を手書きすることを言います。
筆跡や筆圧などは人によって異なる為、筆跡鑑定などで本人が書いたかどうか判断できるため、署名した契約書は証拠能力が極めて高くなります。
記名
記名とは署名以外の方法で氏名を記入・入力することを言います。
具体的には他人の代筆やゴム印で押したもの・パソコンなどで氏名を入力することなどが該当します。
上記を見ても分かるとおり、勝手に第三者に記入・入力されても、本人の意思で記入・入力したかを判断するのは難しく、証拠能力は極めて低くなります。
その為「記名」は「押印（捺印）」と合わせることで商法の規定上「署名に代えることができる。」とされています。
ですので基本的に「署名」＝「記名押印（捺印）」と考えてもらって大丈夫です。
また、商法で規定されているわけですから、「署名のみ」でも「記名押印」でも契約は成立することになります。
捺印と押印の違いとは？
捺印と押印に明確な違いは無い！
実はハンコを押す行為のことを「捺印」とも「押印」とも呼び、特に違いはありません。
一般的な言葉の使われ方として、署名にハンコを押す場合は「署名捺印」、記名にハンコを押す場合は「記名押印」という使われ方をしています。
ただし、法令上の条文では「押印」という言葉しか存在しません。
証拠能力の順位
それでは最後に署名と記名、捺印と押印が持つ証拠能力の順位を見ていきましょう。
第１位 「署名捺印」
「捺印」がなくても法律上契約は成立しますが、「捺印」があることによってさらに証拠能力が上がります。
参考に捺印を「実印」で押して「印鑑証明書」も添付するのが一番安心・安全でしょう。
第２位 「署名のみ」
署名は盗まれるという心配がない為、「記名押印」よりも上の順位になります。
外国では契約書も「サインのみ（署名のみ）」で済ませていることから証拠能力が高いことが分かります。
第３位 「記名押印」
契約としては有効なのですが、「記名」はゴム印など誰でも押すことが出来ますし、「押印」は１００均売っているようなハンコであれば誰でも購入することができます。
ですので証拠能力としては「記名押印」は低くなってしまいます。
ランク外 「記名のみ」
「記名のみ」は契約する上では正式な効力と認められず契約していないのと同じ状況になってしまいます。
ですので証拠能力もありませんので覚えておいてください。
まとめ 特に「署名」は慎重に！
いままで似たような言葉が出てきて混乱していた方もいらっしゃるかと思いますが、特に「署名」と「記名」には大きな違いがあることが分かりました。
またご覧いただいたように「署名のみ」でも契約は成立します。
ですので、署名する場合は少し緊張感を持って事前にいろいろと確認から署名することが大切です。
