不動産の適正価格を求める方法の内、不動産投資を行う上で外せない一つが「積算価格」です。
こんにちは!ビジベース管理人の『キク』(@busi_base)です。
不動産の適正価格(鑑定評価)には
・積算価格(原価法)
・収益価格(収益還元法)
・比準価格(取引事例比較法)
の3つの種類がありますが、中でも不動産投資の融資を重視する場合に重要になるのが「積算価格」(原価法)です。
今回は積算価格の概要から評価・計算方法をまとめていきたいと思います。
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積算価格・原価法とは?
積算価格とは土地と建物それぞれの現在の価値を調べて計算し、それを合計したもののことを言います。
また積算価格の算定方法のことを「原価法」と呼びます。
土地に対しては路線価等の公的な指標を元に計算し、建物は再度新築したと仮定した場合の価格(再調達価格)から現在の価値分の減価修正を行って求めます。
積算価格は売買価格に対して、原価法にて計算した合計額が高ければ高い程一般的に銀行評価(担保評価)が高くなります。
他の鑑定方法と比べて、不動産の費用や原価に焦点をあてた方法といえます。
土地の評価額の算出方法
土地の積算評価での評価額ですが、公的機関の発表している下記の指標を基に価格を決定していきます。
・「相続税評価額路線価」(国税庁)
・「固定資産税路線価」(市町村)
・「公示価格」(国土交通省)
・「基準地価」(都道府県)
さらにここから、土地の形状、接道状況、高低差、用途地域などを考慮して価格補正することがあります。
各指標で判断した1㎡あたりの価格に土地面積を掛ければ土地の積算価格を求めることができます。
また、金融機関によっては積算価格に掛け目と言われる係数(7割、8割など)を掛けて算出して融資の限度額を決定している場合もあります。
路線価の調べ方
上記でご説明した各指標は資産評価システム研究センターが運営している「全国地価マップ」にて調べることができます。
公式サイト
それでは、特に利用される「路線価」の調べ方を見ていきましょう。
まず、路線価を調べるには物件の住所を知っておく必要があります。
路線価図には「丁目」までで番地以下は書かれていません。
ですので、住宅地図と見比べながら物件のある場所を探し、路線価を特定します。
路線価には「430C」といった英数字が書かれています(単位は1000円です)。
アルファベットは借地権の場合に評価を減らされる割合を示しています。
例えば「C」であれば、借地権の場合は評価額に対して70%を掛ける(価値を30%減少させる)ことになります。
ただ通常は、借地権の物件は投資対象としませんので無視しても大丈夫です。
区分所有の場合、土地所有権の割合を調べ、全体の評価額から按分計算します。
路線価が分かったら土地面積と掛け算して土地評価額を算出します。
建物の評価額の算出方法
積算価格における建物の計算方法は以下の
「新築時の1㎡当たりの価格(再調達価格)×延べ床面積×(耐用年数-築年数)÷耐用年数」
式にて計算します。
新築時の1㎡当たりの価格は、建物の構造(SRC、RC、木造など)によって異なります。
丈夫な構造で築浅であればあるほど評価額は高くなります。
構造 | 新築時価格/㎡ | 減価 |
SRC、RC | 200千円 | (47-経過年数)/47年 |
重量鉄骨 | 180千円 | (34-経過年数)/34年 |
木造 | 150千円 | (22-経過年数)/22年 |
軽量鉄骨 | 150千円 | (18-経過年数)/18年 |
※金融機関により、価格等の算出方法は多少異なります。
例えばRCで120㎡、築20年の建物では、
200千円×120㎡×((47年-20年)/47年)=約1379万円
といった形で建物の評価額を算出することが可能です。
ここまでにの説明で算出した、土地と建物の合計額が物件の積算価格での評価額となります。
売買価格に対する評価額の割合が高ければ高いほど、処分価値が高いことになり、一般的に金融機関の評価が高く、今後の融資を視野に入れた場合「お買い得な物件」と言えます。
まとめ 投資規模拡大に向けて、計算出来るようになろう。
今回は積算価格の算定方法等についてお話させていただきましたが、注意していただきたいのは「積算価格だけで投資判断をしないこと」です。
積算価格は、銀行側が融資の際の担保評価として重要視していますが、だからといってイコール投資が成功するというわけではありません。
積算価格も頭の中に入れながら、利回りや売買価格に周辺環境など総合的な判断が大切になります。
その点を踏まえた上で、しっかりと積算価格を自分でも計算できるようになり、今後の不動産投資に生かしていきましょう。