不動産業の始まりは「賃貸不動産」って知ってましたか?
今回は不動産業の歴史を紐解いていきます。
こんにちは!ビジベース管理人の『キク』(@busi_base)です。
大切な物件を管理してくれたり、客付してくれる不動産会社。
そもそも不動産業がビジネスとしてはじまったのはいつからなのでしょうか?
今回は賃貸不動産ビジネスの歴史について調べてみました。
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不動産の始まり
土地や建物は「価値あるもの」「財産」として考えるようになる前は、各地の豪族や貴族などが権力を示す勢力図のようなものとしてとらえられていました。
この考え方に変化をもたらしたのは645年の「大化の改新」です。
それまで豪族や貴族が支配していた私有地は廃止され、すべての土地は「公地」であり、すべての人民は「公民」として定められます。
時の政府(朝廷)はこの公地を公民に貸し出し、公地で収穫した米を税として収めさせることとしたのです。
743年になると、「墾田永年私財法」が施工されます。
開墾した土地であれば、永続的な私有地を認める法律でした。
この法の施工により、豪族や貴族は積極的な土地の開墾を行い、私有地を拡大していきました。
この土地は「荘園」と呼ばれ、これが本格的な私有地化の始まり、つまり土地が財産として認識された始まりとされています。
「不動産業」の始まりは江戸時代
土地が財産となった後、これらがビジネスに繋がっていった歴史を見ていきましょう。
日本での「不動産業」というビジネスの始まりは江戸時代に遡ります。
当時、江戸は商業の町として大発展を遂げていました。
地方からも多くの人が移り住むようになりますが、江戸の人口が急激に増加したため、住居の数が足りなくなりました。
この住居の需要の増加に目をつけたのが大地主や商人たちです。
彼らは自身の私有地に長屋を建て、これを賃貸として地方出身者に提供し始めました。
これが賃貸不動産業の始まりで、所有者とは別の差配人(さはいにん)、世話役、家持(いえもち)などと呼ばれる不動産の管理だけを請け負う人たちによって業務が行われました。
この長屋、平屋建ての玄関を入ってすぐのところに台所がある、1Rまたは1LDKの集合住宅で、現在のアパートのような構造でした。
ただし、トイレは共同、風呂なしが一般的で、賃料は1日の労働で稼げるほどの金額が目安だったとされています。
現在の賃料と比べると、とてもリーズナブルに思えます。
明治時代には売買も
明治時代になると民法が制定されます。
民法には土地建物を財産として認めるとした条文も整備されたため、不動産の売買が行われるようになりました。
そして土地建物を扱う不動産業者や、売り手と買い手を結びつける仲介業者が誕生したのです。
ちなみに「不動産」という言葉は、民法制定時に参考にされたフランス民法の中にある『immobilier(イモビリエ)』という「不動のもの」といった意味の言葉から生まれたというのが有力な説です。
その後、昭和の時代に入ると太平洋戦争での大きな打撃を受けた都市の復興のため、住宅施策が展開されました。
「一世帯一住宅」のスローガンのもと、分譲、賃貸マンションの建設が急速に進み、団地と呼ばれる集合住宅があちこちで建設されました。
この頃は供給数ばかりが注目され、「長く住まう」という考えはほとんど重視されませんでした。
これからの不動産業
そして現在ですが、生きるのに精一杯だった戦後などに比べ、家族のあり方、暮らし方、住まい方、そして不動産のあり方は多様化しています。
かつてのお金持ちでないと土地や建物を持てなかった時代は終わり、平均所得のサラリーマンでも不動産を保有できる時代になりました。
近年はサラリーマン大家といった、投資目的のために物件を購入する動きも盛んです。
シェアハウスやコンセプト賃貸といった新たな賃貸のかたちも生まれています。
最近では民泊の動向も見逃せません。
ITやネットの普及と発達がこの先、不動産業界をさらに変化させることでしょう。
まとめ どういった背景で誕生したのかを活かそう
「住居」は当然生活と切り離せないものとなっていますので、不動産業もかなり昔から誕生していることが分かりました。
「温故知新」という言葉がありますが、先人達の歴史を振り返り、新しいものを取り込んでいく不動産業会社やオーナーが不動産業の未来をリードしていくのかもしれませんね。