不動産営業をしていた時に「今は売り時ですか?」と、よく質問をされました。
確かに半分は正解なのですが、それは物件やあなたの現在の状況によっても大きく変わってきます。
そんな不動産売却のタイミングや時期についてお話していきたいと思います。
こんにちは!ビジベース管理人の『キク』(@busi_base)です。
自身で所有している不動産は、誰だって高く売れて欲しいと思いますよね。
もちろん高く売却する為には、内装をリフォームしたり、良い不動産屋を見つけたりといったことも大事ですが、実は売却する「時期やタイミング」も重要で価格に大きく影響を与えることがあります。
今回は、少しでも高く不動産を売却できるタイミングや時期をまとめて解説していきます!
※ご自宅の相場をインターネット調べる方法については不動産の価格や相場を自宅のインターネット上で簡単に調べる方法とは?をご覧ください!
-
不動産の価格や相場を自宅のインターネット上で簡単に調べる方法とは?
不動産の売却を考えた時に、「いくらぐらいか事前にイメージを知っておきたい」・「築10年程の我が家は今いくらぐらいなのだろう?」というようなことは不動産を所有している方であれば誰でも考える ...
スポンサーリンク
売却に適した季節
まずは1年のうちで一番売りやすい時期を考えてみましょう。
ここはずばり「引っ越しのシーズン」を考えれば答えが出てきます。
日本では4月が年度の変わり目となりますので、新年度・新学期が始まる4月までに引っ越しをしたいという需要がとても多くあります。
ですので、居住用の戸建やマンションは4月の引っ越しが間に合う「1~3月」にかけてが最も売却に適している季節と言えるでしょう。
また、春前程ではないですが、次点で「8月のお盆明けから10月」の季節も会社の人事異動がある季節ですので、比較的需要があります。
不動産相場・市況を判断して売却する
不動産の価格を考える時は、過去と比べて現在の相場・市況を検討することは非常に大事な要素となります。
需要と供給による自由な取引にて不動産価格が決定するわけですから、不動産価格の相場には波があります。
三大都市圏の地価公示価格を直近20年間で見てみると、バブル崩壊後2003年、2004年頃が最も底で、2008年がITバブルの影響で最も高騰しました。
その後リーマンショックの影響で不動産価格が急激に下がりましたが、2012年、2013年ごろから徐々に回復しており、ここ数年は直近20年間で考えた場合は高い水準です。
このように不動産価格は数年、数十年単位で見ると価格の波がある為、タイミングを考える必要があります。
しかし、相場の変わり目をピンポイントで見極めるのは不動産のプロでも難しいです。
2020年には東京オリンピックも控えていますが、現在の高い水準がいつまで続くのかというのは誰にも分かりません。
ですので、あまり最高値のピークで売却することに固執するのではなく、ある程度相場が固まり、過去の水準と比べても高く売却出来たのであれば一般的には成功と言えるでしょう。
買い替えのタイミングも考慮する
ここまで季節や相場についてお話してきましたが、特に「買い替え」の場合は無理にこういった時期に合わせようとすると失敗する場合があります。
買い替えの場合は、次の買い替え先の住宅と自宅の売却のスケジュールを細かく調整する必要があるという点がポイントです。
この調整に失敗してしまうと、一度賃貸やご実家に仮住まいしたり、二重にローンを組まなくてはいけなくなってしまったりと、大きな負担が発生してしまう可能性がありますので注意してください。
築年数を考慮して売却する
単純に築年数だけを考えれば、完成したばかりで誰も住んでいない「新築」の状態が最も高くなります。
当然築年数が経過するごとに、資産価値が下がっていきますが実は下落の幅は一定ではなく、経過年数によって変わってきます。
居住用の場合、戸建とマンションにその下落幅は異なりますが、どちらも共通しているのが「新築プレミアム」です。
新築プレミアムとは、新築で販売されている不動産は土地と建物の本来の価値の他に、販売会社の広告費や人件費などの費用が上乗せされており、いくら築年数が浅くても誰かが住んで「中古」になった瞬間に価格が急激に下がってしまう現象のことを言います。
特に日本は新築信仰がいまだ根強く、この新築プレミアムの影響を大きく受けます。
中でも公共社団法人東日本不動産流通機構の発表している、築年数別の単価の推移によるとマンションは最初の5年の間で20%近く下落します。
また、戸建も最初の5年間で10%程下落してしまいます。
では、その後の推移はどうでしょうか?
まず戸建についてですが、築5年~15年の間はあまり下落せずに済みますが、15年~30年の期間に再び下落幅が大きくなり、30年以降はほぼ下落していきません。
これは設備の老朽化や、外壁や屋根の修繕工事等で費用が大きく発生する点と、日本では木造の建物がほとんどの為、30年前後で建て替えを検討する方が多くなるからだと思われます。
また建物の資産価値がほぼ0円で査定されてしまいますが、戸建は価格に対して土地の価格の割合が大きい為、新築からの下落幅はマンションと比べると少なく済みます。
一方マンションに関してですが、当初の5年間程ではないですが、築5年~25年の間にも一定割合で下落していきます。
築25~30年程経過すると戸建と同じくほとんど価格が減少しませんが、戸建と比べると新築からの下落幅はより大きい状態です。
以上から
・戸建は「築5年~15年の間」
・マンションは「築5年~25年の間でご自身のタイミング」
で売却するのが比較的売り時と言えます。
税制で売却のタイミングを考える
さて、不動産の売却は高く売却すること以外にも「税金」についても考える必要があります。
いくら高く売れたからといって、手残りが大きく減ってしまっては元も子もありません。
ですので税制もよくチェックしておくことが大切です。
特に売却益が出そうな方は要注意です。
譲渡所得税
不動産の売却(譲渡)よって生じた利益(所得)のことを「譲渡所得」と言い、その譲渡所得にかかる税金を「譲渡所得税」と言います。
譲渡所得税には「所得税」・「復興特別所得税」・「住民税」が含まれています。
そして、この譲渡所得税を考える上で大事なのが「所有期間」です。
具体的には売却した年の1月1日時点で所有期間が
・5年以下の場合は「短期譲渡所得」となり「39.63%」
・5年を超える場合は「長期譲渡所得」となり「20.315%」
の税率が課税されることになります。
ですので、売却益が発生する場合は「所有期間が5年を超えてから」売却するのも一つの手だと考えられます。
所有期間が10年超の場合の軽減税率の特例
さて、売却益が出るとかなり大きな税金が取られてしまうことが分かりましたが、「居住用財産(自宅)」の場合は特別に税金の優遇を受けることが可能です。
一つ目が「所有期間が10年超の場合の軽減税率の特例」です。
これは居住用財産の所有期間が10年を超える場合で、譲渡所得が6000万円以下の部分に関して「14.21%」の税率を適用することが出来るという制度です。
先ほどの長期譲渡所得よりもさらに税率を下げることができます。
居住用財産の3000万円の特別控除
さてここまで税金が掛かる前提でお話ししてきましたが、「居住用財産(自宅)」の譲渡所得の場合はなんと「3000万円」の控除を受けることが可能です。
さらに、譲渡所得が3000万円を超えてしまった場合でも、3000万円の特別控除と合わせて先ほどの「所有期間が10年超の場合の軽減税率の特例」を併用することができます。
まとめ
以外と想像していたより、売却のタイミングや時期についてだけでも多くの項目を検討する必要があると思われた方も多いのではないでしょうか?
ご紹介した通り、不動産の売却価格には様々な要因によって成り立っていますが、なにより価格に影響を与えるのが不動産の「市況や相場」です。
この相場を見極めつつ「最低5年以上は所有」して、出来れば「1~3月」に売却すれば、大きな失敗をすることを避けることが出来ると思います。
ただ所有している不動産の特徴によって最適なタイミングは変わってきます。
ご自身にとって出来る限り最適なタイミングを計りつつ、より高くて手残りも多くなるように売却したいですね。
※ご自宅の相場をインターネット調べる方法については不動産の価格や相場を自宅のインターネット上で簡単に調べる方法とは?をご覧ください!
-
不動産の価格や相場を自宅のインターネット上で簡単に調べる方法とは?
不動産の売却を考えた時に、「いくらぐらいか事前にイメージを知っておきたい」・「築10年程の我が家は今いくらぐらいなのだろう?」というようなことは不動産を所有している方であれば誰でも考える ...